2021年11月22日
SES(システムエンジニアリングサービス)とは?派遣との違いを解説!
IT業界で耳にする「SES」という言葉をご存知でしょうか。
システムエンジニア(SE)の働き方の1つで、企業側も必要なスポットに人材を確保できるメリットがあります。
現在IT業界は人手不足。
IT化が急速に進む中、システムエンジニアの人材確保に苦労している企業も少なくありません。
今回はこの「SES」について、派遣との違いや取り入れるメリット・デメリットを解説していきます。
IT人材の確保を検討中の方は、ぜひチェックしてみください。
SESとはどのような契約形態なのか?
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略で、業務委託・準委任委託といった契約形態のこと。
クライアント先に常駐して、主にシステム開発・インフラの整備や運用といった業務を行います。
SES契約の場合、よくある請負契約とは大きく異なります。
請負契約は成果物に対して報酬が支払われるのに対し、SES契約は労働時間に対して報酬が支払われます。
またSESの場合、成果物に対する責任を負うこともありません。
■請負契約:成果物に対して報酬が発生・成果物に対して責任が伴う
■SES契約:労働時間に対して報酬が発生・成果物に対して責任を負う必要がない
SES契約と派遣契約の違いとは?
IT業界では、SESと同じく「派遣」もよく使われている雇用形態の1つ。
SESと請負の違いはハッキリとしていますが、SESと派遣はよく混同されがちです。
SES契約で雇用を検討している方は、派遣との違いをしっかり把握しておきましょう。
・SES契約と派遣契約の違いは指示系統
どちらも労働時間に対して報酬が支払われ、成果物に対しての責任も問われないところは同じですね。
客先に常駐して業務を行うという点も一緒です。
大きな違いは、「指示系統」にあります。
■派遣契約:派遣先の企業(クライアント)から直接業務の指示を受ける。
■SES契約:雇用元の企業(SES企業)から業務の指示を受ける。
そのためSES契約の場合、クライアントからエンジニアに直接指示をすることは法律違反となってしまいます。
本来の業務以外の追加の仕事や残業の依頼も、エンジニアに直接依頼・指示はできません。
この原則が守られていないと、法律違反となりペナルティが課せられる場合もありますのでご注意ください。
SES(システムエンジニアリングサービス)のメリット
請負や派遣と違ったSESという働き方には、どういったメリットがあるのでしょうか。
SESで人材確保を検討したい、クライアント側からみたメリットを紹介します。
・採用活動の時間が要らない
新たにシステムエンジニアを雇うとなると、当然ながらまずは求人をださなければなりません。
求人広告や求職者とのやりとり、書類選考、面接など、時間と手間がかかります。
実際に優秀な人材が確保できるのかといった保証もないため、採用活動は慎重になることが予想されます。
SES契約であれば、この採用コストとかける時間を軽減することができるでしょう。
・人材コストの軽減
技術のある人材を正社員で雇用するには、多くの人件費がかかります。
社内の業務に慣れるまで、教育費や研修などの費用に加え、社会保険・福利厚生といった費用も会社側が負担しなければなりません。
繁忙期や一時的に必要なスポットのために、正社員を雇うのはリスクを伴います。
そういった場合に、SES契約で必要な時に必要な労力を、低コストで確保できるのは大きなメリットです。
SES(システムエンジニアリングサービス)のデメリット
一方で、SES契約のデメリットもいくつかあります。
デメリットも把握したうえで、検討してみましょう。
・成果が保証されていない
前述のとおりSES契約の場合、労働時間に対して報酬が支払われます。
そのため、SESのエンジニアは成果物に対して責任がありません。
請負契約とは責任範囲が異なるため、成果物の保証がない点がデメリットといえます。
・柔軟な対応をしてもらえない
SES契約のエンジニアに、クライアント側から直接業務の指示をだすことは法律違反となります。
そのため納期に間に合わせるために、残業・休日出勤といった対応を求めることも原則できません。
残業・休日出勤は事前に伝えておく必要があり、別途支払いが必要になるため、コストもかかります。柔軟な対応をしてもらうのは難しいでしょう。
SESという契約形態を理解しておかないと、法律違反となりペナルティを受ける可能性もあるため、念頭に入れておく必要があります。
まとめ
正社員だけでなく、働き方は多様化しています。
システムエンジニアを正社員で雇用するには、多くの時間とコストがかかるでしょう。
請負・派遣・SESと、人材確保の方法はさまざま。
SESでエンジニアと契約する場合は、SES企業に依頼することからはじまります。
担当者と料金や契約期間を打ち合わせし、最適なエンジニア人材を紹介してもらえます。
業務内容や状況に応じて、メリット・デメリットの両方を踏まえた上でぜひ検討してみてくださいね。