2024年1月10日
IT導入補助金2024の変更点とは?ECサイト制作は対象外!
IT導入補助金とは、労働生産性向上のためのITツール導入コストを一部補助してくれる補助金制度です。今年もIT導入補助金は継続しておこなわれます。申請開始日や2023年との変更点が明らかになりました。
この記事では、2024年のIT導入補助金のスケジュールや変更点などをご紹介します。
IT導入補助金の申請開始は2024年2月16から
IT導入補助金2024の事業スケジュールが公表されました。申請受付開始は2024年2月16日(火)からです。
支援枠ごとの詳しいスケジュールは、詳しくはこちらで確認できます。
現時点(1月8日現在)で確定している募集回のスケジュールです。変更や追加がある場合がありますので、申請の際は最新の情報をご確認ください。
IT導入補助金2024の主な変更点は4つ
引用元:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_it.pdf
今回のIT導入補助金では、次の4つが主な変更点になります。
デジタル化基盤導入枠が廃止!ECサイト制作は対象外に
IT導入補助金2023年に用意されていた「デジタル化基盤導入枠」が廃止されています。この支援枠は、労働生産性を向上させるためのITツール、会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフト・PC・タブレット・レジ・券売機等の導入経費を一部補助するものでした。
しかしデジタル化基盤導入枠が廃止になったことで、このうちECサイト制作が補助の対象外に。今回の改編で最も大きな変更点であるといえます。
インボイス枠が新設
デジタル化基盤導入枠が廃止になって新設されたのが、インボイス枠です。インボイス枠には「インボイス対応類型」「電子取引類型」の2種類があります。インボイス対応類型は、比較的規模の小さな個人事業主・中小企業向け、電子取引類型は取引先の多い大企業向けの支援枠となっています。
インボイス枠で補助率を一部「4/5」へ拡大
新設されたインボイス枠では、インボイス制度に対応したソフトウェア導入にともなう費用の補助率が4/5に拡大しました。
ただし小規模事業者のみに適用され、中小企業は3/4の補助率となります。ここでいう「小規模事業者」の定義は、商業・サービス業で従業員が5人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他で従業員が20人以下の事業者を指します。
インボイス制度に非対応のITツールは対象外に
インボイス枠の新設にともなって、補助対象ITツールが見直されました。インボイス枠においては、インボイス制度に対応していないソフトウェアは対象外となっています。
IT導入補助金2024の4つの支援枠
新しくインボイス枠ができたことで、今回の支援枠は「通常枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」「セキュリティ対策推進枠」の4つになりました。
それぞれ補助額や対象となるツールが異なります。ここでは各概要をご紹介します。
通常枠
2023年と比較して、通常枠は特に大きな変更はありませんでした。通常枠は、自社の課題に合ったITツールを導入し、業務効率化と売上向上をサポートする目的で申請できる申請枠です。例えばクラウド型勤怠管理システムや、顧客管理システムなどを導入して、業務の効率化を図るなどの場合に申請できます。
2023年に引き続き、クラウド利用料は最大2年分が補助対象です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | |
補助額 | 5〜150万円未満 | 150〜450万円未満 |
補助率 | 1/2 | |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料・導入関連費 |
インボイス枠
インボイス枠はインボイス対応にともなうITツール導入の費用を補助する支援枠です。それぞれ以下の2種類に分けられます。
▼インボイス枠(インボイス対応類型)
2023年10月からスタートしたインボイス制度。これに対応するための会計・受発注・決算ソフトの購入費、クラウド利用料、導入関連費が補助されます。さらにこれらにともなって必要なPC・タブレットなどのハードウェアも補助対象です。
補助率は購入費用や購入品目によって異なります。50万円以下のソフトウェアを導入する場合補助率は4/5ですが、小規模事業者のみとなります。中小企業は補助率が3/4となるのでご注意ください。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | |||
補助額 | 50万円以下(インボイス対応ソフト) | 50万円超〜350万円(インボイス対応ソフト) | 〜10万円(PC・タブレット等) | 〜20万円(レジ・券売機等) |
補助率 | 4/5(3/4) | 2/3 | 1/2 | |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料・導入関連費・ハードウェア購入費 |
▼インボイス枠(電子取引類型)
インボイス枠の電子取引類型は、発注者である中小企業や大企業が費用を負担してインボイス対応する場合に申請できる支援枠です。受発注ソフトを導入して、取引先(受注側)である規模の小さい企業などが無料で利用できるケースを想定しています。そのため、ハードウェアやソフトウェア購入費は対象外となり、クラウド利用料のみが補助の対象です。
対象者 | 中小企業・大企業 | |
補助額 | 〜350万円 | |
補助率 | 2/3(中小企業) | 1/2(大企業) |
補助対象経費 | クラウド利用料 |
▼複数社連携IT導入枠
複数社連携IT導入枠は、10社以上の中小企業や小規模事業者等が連携してITツールなどを導入する際の支援枠です。団体や中小企業などが想定されています。インボイス対応やキャッシュレス決算導入などの取り組みに活用できます。導入する際の専門家費や事務費も補助対象です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | ||
補助額 | インボイス枠インボイス対応類型と同様 | 〜3,000万円50万円×参画事業者数補助上限(消費行動等分析経費) | 〜200万円(事務費・専門家費) |
補助率 | インボイス対応類型と同様 | 2/3 | |
補助対象経費 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料・導入関連・ハードウェア購入費 |
▼セキュリティ対策推進枠
セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃などの潜在的なリスクを回避するための、セキュリティ向上支援を目的としています。「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っている、ネットワーク監視をメインとしたITツールから選定して申請します。補助額は5〜100万円です。
対象者 | 中小企業・小規模事業者 | |
補助額 | 5〜100万円 | |
補助率 | 1/2 | |
補助対象経費 | サイバーセキュリティサービス利用料 |
まとめ
IT導入補助金2024の大きな変更点は、ECサイト制作が補助の対象とならなくなったことです。2023年に開始したインボイス制度にともなって、インボイス制度に対応するソフトウェア購入費・導入費などが補助の対象として手厚くなっている印象です。また小規模事業者に対しては、安価なソフトウェアでも補助対象となり、さらに補助率を4/5に拡充するなどインボイス対応に活用しやすくなっています。これを機会にインボイス制度に対応したソフトウェアの導入を検討するのもよいでしょう。
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