2023年5月22日

勤怠管理システムが導入できる補助金・助成金!システムを選ぶポイント




デジタル化が急激に進む中、いまや勤怠管理業務はシステムで管理することが当たり前になってきました。とはいえ、システムの導入にはコストと手間がかかり、紙の管理・エクセルの管理からなかなか抜け出せない事業者さまもいるのではないでしょうか。そんな中小企業・個人事業主の方におすすめなのが、補助金・助成金の活用です。

「システム導入のコストをなるべく下げたい」

「どの補助金・助成金がよいのかわからない」

「自社に合う勤怠管理システムが選べない」

本コラムでは、こういった疑問・お悩みにお答えします。

勤怠管理システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

勤怠管理システムが導入できる補助金・助成金



勤怠管理システム導入に活用できる、今おすすめの補助金・助成金は、「IT導入補助金」と「働き方改革推進支援助成金」です。これらをかしこく活用することで、導入コストを格段に下げることができます。

補助金と助成金は、国や自治体から支給される支援金のことをいいますが、この2つには若干の違いがあります。

補助金は、誰でも支給されるものではなく申請要件や審査があります。採択されなければ補助金は受けられません。通年公募ができる補助金としては、事業再構築補助金・ものづくり補助金・小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金の4つが挙げられます。

一方で助成金は審査はなく、要件を満たせば原則受給が可能です。通年設けられている助成金もあれば、コロナ禍などで一時的に創設される助成金もあります。

今回は勤怠管理システム導入におすすめな、「IT導入補助金」と「働き方改革推進支援助成金」の2つをピックアップしてご紹介します。

働き方改革推進支援助成金



「働き方改革推進支援助成金」は、働き方改革関連法を推進するための助成金です。直近では2023年4月に法改正され、月60時間を超える労働に対して、割増賃金率が50%に引き上げられました。

関連記事:「準備はできていますか?2023年4月から中小企業も割増賃金率が50%に



この法改正に伴って、環境整備に必要な費用の一部を国が助成してくれるのが、働き方改革推進支援助成金です。

働き方改革推進支援助成金の概要



助成の対象となる事業主の条件は、労働者災害補償保険の適用であること、さらに下の表にあるA・Bいずれかに該当することです。中小企業が対象で、大企業は助成の対象となりません。

業種

A:資本または出資額

B:常時使用する労働者

小売業

小売業・飲食店など

5,000万円以下

50人以下

サービス業

物品賃貸業・宿泊店・人材派遣など

5,000万円以下

100人以下

卸売業

卸売業

1億円以下

100人以下

その他の業種

農業・建設業・製造業・運輸業

3億円以下

300人以下



働き方改革推進支援助成金には、異なる5コースが設けられており、各コースごとの成果目標を達成することで助成金が受けられます。助成金は達成状況に応じて変動し、助成上限額の範囲内で支給されます。

助成金は原則審査なしで受けられると前述しましたが、働き方改革推進助成金は「成果目標の達成」などが条件となり、一定の審査もありますのでご注意ください。

全5コースありますが、その中から勤怠管理システム導入に適切な3つのコースをご紹介します。

労働時間短縮・年休促進支援コース



このコースは生産性向上・時間外労働削減・年次有給休暇や特別休暇促進に取り組む中小企業を対象としています。

成果目標としては、以下のいずれか1つ以上を実施することが要件となります。

  • 36協定の見直し:上限200万円
  • 年次有給休暇の計画的付与制度の導入:上限25万円
  • 時間単位の年次有給休暇及び特別休暇の導入:上限25万円

労働時間短縮・年休促進支援コースの詳細はこちら>

勤務間インターバル導入コース



このコースは、終業後に次の勤務まで一定の休息時間(インターバル)を確保し、十分な生活時間・睡眠時間を取ることで、労働者の健康を守り、過労を防ぐ目的があります。

事業主は状況に応じて「新規導入」「適用範囲の拡大」「時間延長」のいずれかで、インターバル制度を導入します。

成果目標は、次のとおりです。

  • 9時間以上11時間未満の勤務間インターバル制度の導入

→上限80万円

  • 11時間以上の勤務間インターバル制度の導入

→上限100万円

勤務間インターバル制度導入コースの詳細はこちら>

労働時間適正管理推進コース



このコースは、生産性向上・労働時間の適正管理推進に取り組む中小企業を対象としています。

成果目標としては、以下のすべてを実施することが要件となります。

  • 新たに労働時間管理と賃金計算等をリンクさせた統合管理ITシステムの導入
  • 労務管理書類の5年の保存期間について就業規則等に規定
  • 労働者と労務管理担当者にガイドラインに沿った研修を実施

→上限100万円

労働時間適正管理推進コースの詳細はこちら>

申請方法



申請方法は、郵送になります。交付申請書を作成し、管轄の都道府県労働局雇用環境・均等部に提出します。必要な申請書類は、こちらのページの「申請様式」からダウンロードし、交付申請書を作成してください。

交付申請の受付の締切は2023年11月30日(木)です。

IT導入補助金



IT導入補助金は、数ある補助金の中でもITツールやシステム導入に特化した補助金です。勤怠管理システムはもちろん、システム導入に必要なPCやタブレットも条件によっては対象となります。

通年公募できる補助金の1つですが、毎年要件が変更されます。

2023年の変更点や対象ツールに関しては、下記の記事をご参考ください。

関連記事:「2023年IT導入補助金はいつから?変更点や対象のITツールを解説

IT導入補助金の概要



IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者を対象にした補助金です。大きく分けて「通常枠(A類型・B類型)」「セキュリティ推進対策枠」「デジタル化基盤導入枠」の3つの申請枠があります。

補助額は、申請枠や申請内容に応じて5〜450万円と変動します。低価格なITツールも対象となるため補助額の幅が広く、大規模なデジタル化だけでなく少人数の中小企業でも活用しやすい内容になっています。

申請方法



申請方法は、IT導入支援事業者による電子申請で行います。

申請は、事業主ではなくITベンダー・サービス事業者が申請します。IT導入補助金を活用したい場合は、まずIT導入支援事業者に相談することをおすすめします。

電子申請に伴い、事業者側はgBizID(法人向けの認証システム)を事前に取得する必要があります。この取得にあたって申請書などの作成があり、取得までに時間を要しますので、早めに取得しておきましょう。

IT導入補助金の詳細はこちら>

補助金・助成金を利用する際の注意点



補助金・助成金はかしこく活用することで、導入コストを抑えながら、業務の生産性向上を図れるメリットがあります。しかし申請すれば絶対に支給されるものではなく、不採用になるケースもあるのです。

ここでは補助金・助成金を利用する際に、事前に把握しておきたい注意点をご紹介します。


申請書類を用意しなければならない



補助金・助成金を利用するには、申請書類を作成します。実はこの申請書類の作成がなかなか難しく、ここで断念してしまう事業者も少なくありません。

助成金の場合は簡易的であることが多いですが、補助金の場合は事業計画書の策定が必要なこともあります。また導入予定のシステムの見積書など、補助金によっては提出書類も多くなります。

自社で書類の作成が難しい場合は、支援事業者に依頼するのも1つの選択肢です。この点、IT導入補助金の場合はIT導入支援事業者が申請及びサポートをしてくれるため、比較的楽に申請ができるはずです。

交付決定前にかかった費用は補助の対象とならない



申請後の審査期間は各補助金・助成金によって異なりますが、概ね1ヵ月程度かかります。その後、補助金・助成金を申請して受理された場合、交付決定通知書が届く流れです。

ここで気を付けたいのが、交付決定通知がされる前にシステムを導入してしまうことですなぜなら、交付決定前に発生した費用については補助の対象にならないからです。

交付前に契約・支払った費用は補助の対象外。必ず交付決定されてから、事業をおこないましょう。

ただし、補助金によっては費用の遡りができたり、事前に許可申請などをすることによって補助対象になることもあります。

補助金・助成金は導入後に支払われる



補助金・助成金は交付決定後、すぐに支給されるものではありません。申請書類で策定した事業を完了したのちに支給されます。つまり勤怠管理システム導入が事業計画である場合は、システム導入後になります。

したがって、導入にかかるコストは事業者が最初に支払うことが前提なのです。補助金・助成金だけを頼りに導入を考えていると、最初の初期費用の支払いができず、補助金・助成金を受け取ることも困難になりますので注意が必要です。

完了報告書を作成しなければならない



補助金・助成金を受け取るには、事業をおこなうだけでなく、完了報告書の作成と提出が必要になります。実際に事業を実施したのか、実施してどのような成果がでたのか、などの報告書です。この完了報告書の作成も骨が折れる作業になるため、完了報告の期限までに提出できず、せっかくの補助金・助成金が受け取れなかったという事業者もいるほどです。

書類作成が困難と判断した場合は、支援事業者に相談してみましょう。

補助金・助成金で導入できる勤怠管理システムを選ぶポイント



勤怠管理システムを導入する際の、システムの選定は重要です。前提として、IT導入補助金の場合はITツールとして登録されていないと申請ができません。助成金の場合は特別な指定はないですが、自社に合ったシステムを選ぶ必要があります。

どのような勤怠管理システムを選ぶべきか、主に4つポイントをご紹介します。

クラウド型である



システムには、主にクラウド型とオンプレミス型の2つがあります。クラウド型はオンライン上でシステムを利用できるのに対し、オンプレミス型は、社内のサーバー上でシステムを構築して利用できる形態です。オンプレミス型の場合は、クラウド型よりも導入コストや手間がかかる他、自社PCからしかアクセスができないなど、利便性の点で一定のデメリットがあります。

クラウド型は社内だけでなく自宅からもアクセスができ、常に最新の情報をアップデートできるため、利便性の観点からクラウド型のシステムが主流になってきています。

特にテレワークを社内で推進している場合は、クラウド型の勤怠管理システムがおすすめです。

カスタマイズや連携ができる



導入する勤怠管理システムが、カスタマイズできる、または他のソフトと連携できると導入がスムーズです。

事業者によっては、すでにシステムを導入している場合があるかもしれません。新たにシステムを導入する際は、既存のシステムが無駄になる、または再度情報を入力・設定しなければならないことがあります。

カスタマイズや連携が可能であれば、既存のシステムと連携して必要な機能だけ使う、データの引き継ぎが簡単など、柔軟に使えることも選ぶうえでのポイントになります。

法改正ごとのアップデートがある



勤怠管理システムを選ぶ際は、法改正ごとに自動アップデートされるシステムだと安心です。

労働基準法等に関わる法改正はしばしば発生します。その度に、書類の仕様を変更したり、法に準じた勤怠管理の変更が必要になると大変手間がかかります。

法に則さないずさんな管理をしていると、労働局から注意を受けることもあり得ますので、法改正ごとに自動アップデートされるシステムを選びましょう。

スタッフが使いやすい



勤怠管理システムは、担当者だけではなく、従業員やスタッフが使いやすいシステムであることもポイントです。出勤・退勤が簡単に打刻ができることや、スムーズに申請ができることなど、従業員の使いやすさもチェックしておきたいところです。

導入前に無料の体験版が用意されていることもあるので、まずは試して判断してみてください。

人材派遣の勤怠管理システムならメッキー派遣管理



勤怠管理システムを導入することで、日々の勤怠管理業務を効率化し、従業員の業務負担を軽減できます。勤怠管理に課題を感じている事業者さまは、補助金・助成金を利用して導入してみてはいかがでしょうか。

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IT導入補助金や働き方改革推進支援助成金を使って、低コストで導入することも可能です。弊社は、福岡県のIT導入支援事業者として登録されている支援事業者の1つです。補助金・助成金を活用してシステム導入を検討中の事業者さまは、ぜひお気軽にご相談下さい。

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